ヘナカラーとは?

ヘナカラーとは、ヘナミソハギ科の植物の葉の粉末をお湯や水で溶いたものを髪に塗布して着色させるヘアカラーの一種です。

アルカリカラー(ヘアダイ)などと異なり、化学染料が入っていないので頭皮や髪への刺激がなく染めることが事が出来る半面、黒髪を明るくする事が出来ないので白髪染めに使用される事が多いです。

髪が染まるメカニズム

ヘナの葉にはローソンという赤褐色(オレンジ色)色素が含まれ、このローソンはタンパク質に絡み付く特性があるため、タンパク質で出来ている髪に塗布すると赤褐色が着色されます。
爪や皮膚もタンパク質で出来ているため、ヘナタトゥーやマニキュアとして使用されることもあります。自分で染める場合には素手で行わずにビニール手袋などをするといいでしょう。

黒髪にも着色しますが元が黒色なので赤褐色が目立たず(黒い画用紙に赤色の絵具を塗るのと同じイメージ)、主に白髪を赤褐色に染める目的で使用されます。

髪のタンパク質はキューティクルで覆われた髪内部に多く含まれていますが、お湯(水)で溶いたヘナを塗布すると髪に水分が含まれ膨潤します。
膨潤するとキューティクルが少し開き、この隙間から水と一緒にヘナが髪の内部へと入りタンパク質に吸着します。この仕組みによりヘナカラー後は髪が染まるだけでなく、潤いとハリコシのある髪質へと変化するためトリートメント効果を求めてヘナカラーをする方もいます。

ヘナカラーの色について

植物由来100%のヘナでヘナカラーを行うと赤褐色にしか染まりません。
白髪部分が赤褐色になるので、白髪が多い方は明るめのオレンジカラーになり、少ない方だと黒髪とほぼ変わらない仕上がりになります。

黒に近い髪色やナチュラルブラウンを希望される方は、ヘナにインディゴ(南蛮藍:マメ科)を混ぜて使用すると藍色が赤褐色の補色となり赤褐色を打ち消すことで黒よりに染めるとこが出来ます。

ヘナカラーの薬剤の中には、明るくなるものやカラーバリエーションが豊富にあるものがありますが、これらは植物由来100%ではなく、脱色剤や染料の化学薬品が含まれています。
これら化学薬品が含まれてるとヘナ本来の効果が得られずにヘナでは本来起こらない髪のダメージを起こしてしまうのでヘナカラーを希望される方にはお勧めしません。

弊社では、ヘナ100%、ヘナ:インディゴ=50%:50%、ヘナ:インディゴ=20%:80%、インディゴ100%の配合日の異なる4種類の商材をご用意しお客様のご希望に対応しています。

ヘナカラーは空気酸化(空気に触れさせる事)で色合いが変化します。
染めた直後は、オレンジ色(ヘナが多い場合)または緑色(インディゴが多い場合に染まります。ここから1週間程度かけ徐々に空気酸化する事で色味が変化し赤褐色またはナチュラルブラウンへ変色していきます。

また天然素材を使用しているため、茶葉やワイン葡萄と同様にその年その年での出来が異なったり、染める日の気温や湿度、お客様自身の体調の違いにより全く同じ色に染まる事はありません。
そんな不安定な商品ですが、日々の天気が違うように自然と共にあるヘナの違いを楽しんで頂けると幸いです。

ヘナのトリートメント効果やヘナスパについて

ヘナのトリートメント効果やヘナスパと呼ばれるヘッドスパ効果を期待してヘナカラーをされる方がいます。
ヘナには確かにそれらの効果がありますが、一般的なしっとり感や汚れを落とす効果とは異なるので、自身が求める効果と合っているのかを判断した上で行う必要があります。

ヘナのトリートメント効果とは、ローソンが髪内部に水と一緒に入る事で起こる水分補充、ローソンがタンパク質に付着する事で得られるハリコシ感やボリューム感、そして年齢と共にタンパク質が減少する事で髪にうねりが出ている方へのうねり抑制効果になります。

またヘナには油分を吸収する働きがあるので、ヘナカラーをしただけで頭皮や髪の油分を除去しヘッドスパで頭皮の皮脂を取るのと同じような効果が得られます。

ヘナカラーの注意点

ヘナカラーのメリットの一つにジアミンアレルギー(アルカリカラーの染料によるアレルギー)がない事が挙げられますが、アレルギー反応を全く起こさないという訳ではありません。

ヘナ100%だとアレルギーは起こしにくいですが(植物アレルギーは起こす可能性があります)、インディゴをマメ科の植物で南蛮藍は蕎麦に似ているので大豆や蕎麦アレルギーのある方はアレルギー反応を起こす可能性が高いので注意が必要です。
他のカラーリング同様に施術前にパッチテストをすることを推奨します。

もう一つ注意が必要なのがヘナショックです。

ヘナショックとは、アルカリカラーやパーマの施術履歴のある髪にヘナを塗布するとヘナとアルカリ剤が作用して起こる反応で、髪が染める前よりもギシギシになってしまいます。

ヘナカラーをしたのに良くない感想をお持ちの方はこのヘナショックを経験し、ヘナカラーに悪印象を持ってしまう方がほとんどです。
色味や明るさで楽しむカラーではないヘナカラーは、今回だけ!という施術に不向きなのでヘナカラーをされる際は今後、ずっとヘナカラーをする覚悟で染められるのをお勧めします。

アルカリカラーやパーマ施術後にヘナカラーをどうしても行う際は、ヘナを塗布する前に髪と頭皮を天然オイルでコーティングするとヘナショックを緩和させる事が出来ます。

また髪にヘナを馴染ませる意味でも移行の際は短期間で3回ほどヘナカラーをされると、初回にはギシギシした髪も回数を追う毎にギシギシ感がなくなりヘナ本来の良さが実感できるようになります。