
ヘナはなぜ、美容室でやると高いのか
当店のヘナは、ショートで22,000円です。一般的な白髪染めより高い金額であることは、そのとおりです。
高い理由は、ヘナが「薬剤を塗って時間を置く」だけの作業ではないからです。その日の髪と、その年の粉に合わせて、毎回組み立て直す施術になります。所要時間は150分。この中に、カウンセリングからカット、次回のための記録までが入っています。
何が含まれていて、なぜその時間がかかるのかを書きます。
22,000円に、何が含まれているのか
ヘナを塗る工程だけの金額ではありません。次のすべてが入っています。
- カウンセリング(これまでの履歴、白髪の量、ご希望をうかがいます)
- その日の調合(湯温と配合を決めます)
- 塗布
- 加温しての放置
- 湯洗いとトリートメント
- カットとスタイリング
- アフターカウンセリング
- 次回のための記録(配合比率・湯温・放置時間をカルテに残します)
カットは別料金ではありません。ヘナの日に、カットまで終わります。
料金はショート22,000円、ミディアム23,100円、ロング24,200円。根元だけを染める場合(リタッチ)も、ショート料金で承ります。
なぜ150分かかるのか
工程が多いからではありません。短縮すると仕上がりが変わる時間が含まれているからです。
内訳は6工程、合計150分です。
- カウンセリング 15分
- 塗布 30分
- 加温放置 30分
- シャンプーとトリートメント 15分
- カット&スタイリング 45分
- アフターカウンセリング 15分
放置の30分は、温度を保った状態での時間です。保温せずに置く場合は40分ほど必要になります。ヘナは置いている間の温度で発色の進み方が変わるため、ここを削ると色の入り方が変わります。
塗布に30分かかるのも、ヘナの性質によります。ヘナは粉をお湯で溶いたペーストで、液状の薬剤のように流れ込んでくれません。根元まで届かせるには、量を置いて塗り広げる必要があります。
参考までに、一般的なカラーはカットを含めて1時間30分〜2時間前後という説明が、美容室側から出ています(出典)。ただしこれは1店舗の説明で、施術時間を業界横断で集計した統計は確認できませんでした。
毎回、同じことをしているのか
していません。ここがヘナのいちばん厄介なところです。
ヘナは農作物です。収穫は年に一度、雨季明けの短い期間だけ。産地・収穫時期・乾燥の条件で色素の量が変わるため、同じ商品名の粉でも、年によって出来が違います(出典)。
そのため、決まったレシピをそのまま使い続けても、同じようには染まりません。当店では湯温45℃、粉1に対してお湯4を目安に、その日の粉の状態を見て決めています。熱湯で溶くと赤みが強く出すぎ、逆に待ち時間に冷めるとインディゴ(ナンバンアイの葉。青系の色素)の発色が落ちるためです(出典)。
そして、その日どう決めて、どう染まったかをカルテに残します。配合比率・湯温・放置時間の3つです。次に粉の出来が変わっても、調整の起点になるからです。
判断と記録のこの積み重ねが、料金に含まれている部分です。
自分で染めるのと、何が違うのか
腕の差ではありません。温度を保てる環境と、複数の年の粉を扱った情報量です。
ご自宅でも、ラップとタオルで保温し、湯温を測って溶き、洗い流しをお湯だけにすれば、かなり近づきます。埋めにくいのは次の4つです。
- 放置中の温度を一定に保ち続けること
- 気温の低い時期に湯温45℃を保ち続けること
- 自分では見えない後頭部と生え際まで塗ること
- その年の粉の状態を見極めて配合を決めること
詳しくはサロンのヘナとセルフのヘナは、何が違うのかに書きました。セルフを否定する材料はどこにもありません。この差のどこまでをご自身で引き受けられるか、という話です。
価格で、ヘナの良し悪しは分かるのか
分かりません。
ヘナの施術価格と仕上がりの品質に相関があることを示したデータは、調べた範囲では確認できませんでした。安い店が手を抜いているという根拠も、高い店のほうが良いという根拠も、こちらにはありません。
価格の代わりに、確認できることが一つあります。使っている製品が「頭髪用」かどうかと、その成分表示です。
「ヘナ」という名前で売られている製品の中に、酸化染料を添加したものがあります。国民生活センターは2026年5月20日、「かつら用」と表示されたヘナ製品を頭髪に使った美容所の施術で、アナフィラキシーが発生したと発表しました。製品からはパラフェニレンジアミン(PPD。かぶれの原因になる酸化染料で、ジアミンと呼ばれます)が9.0〜11.9%検出され、1名は3回発症し、重症度グレード3で救急搬送されています(出典)。
「かつら用」の製品は雑貨扱いで、人体に使うことを前提としていません。同センターは、美容所を利用する際に、使用製品が頭髪用であることを施術者に確認するよう呼びかけています。市販品の話は市販の「ヘナ」に、ジアミンが入っていることがありますにまとめました。
値段より先に聞いていただきたいのは、ここです。
金額を上げても、解決しないこと
ヘナでは髪を明るくできません。色もほとんど選べず、ヘナ100%なら赤褐色からオレンジの範囲です。パーマや縮毛矯正はかかりにくくなります。この点はヘナで白髪染めをするデメリットを、正直に書きますにまとめました。
いくら払っても変わる話ではありません。今より明るい髪色にしたい方に、ヘナはお応えできない技術です。
全メニューの料金と施術の流れは仙台で、ヘナの白髪染めをにまとめています。ご予約はWebから承っています。
出典
- Dears「美容室のヘアカラーの施術に必要な時間の目安」 https://dears-salon.com/advice/haircolr/color-hour(2026-09-04確認)
- みんなのヘナ「ヘナレター」 https://www.henna.co.jp/information/hennaletter/(2026-09-04確認)
- ナイアード「ヘナで失敗しないために」 https://www.naiad.co.jp/blog/archives/3727(2026-09-04確認)
- 国民生活センター「酸化染料を含むヘナ製品によるアナフィラキシーが発生-かつら用の製品を頭髪に使ってはいけません-」(2026年5月20日) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260520_2.pdf(2026-09-04確認)
&salon Henna について
仙台市青葉区国分町にある、ヘナ専門の美容室です。インド・ラジャスタン州ソジャットの、開花前の新葉だけを使っています。ジアミンもアルカリ剤も使いません。
ヘナは農作物です。同じ産地でも、年によって出来が違います。だからその年の粉の状態を見ながら配合を決めています。施術は認定ヘナリストが、カウンセリングから仕上げまで担当します。
はじめての方ははじめての方へを、ご不明な点はよくあるご質問をご覧ください。&salon Henna についてもあわせてどうぞ。