はじめての方へ

ヘナは、ふつうのヘアカラーとはかなり違います。

できることとできないこと。最初の数回で起きること。当日していただきたいこと。施術の前に知っておいていただきたいことを、順番にまとめました。

読むのに10分ほどかかります。ご来店前に目を通していただけると、当日のカウンセリングがずいぶん短くなります。


当店が使うヘナについて

インド・ラジャスタン州ソジャットの、開花前の新葉だけを使っています。

ヘナの収穫は年に一度、雨季が明けたあとの短い期間だけです。のんびりしていると葉が硬くなり、養分が花や実に移ってしまいます。そのため、開花前に刈り取ったものを使います。

ヘナは農作物です。産地、収穫の時期、乾燥のしかたで色素の量が変わります。同じ農園でも、年によって出来が違います。だから当店では、その年の粉の状態を見ながら、水の温度と置く時間を決めています。

施術を担当するのは、一般社団法人ホリスティック美容師協会が認定するヘナリスト資格を持つ美容師だけです。この認定ヘナリストが、カウンセリングから仕上げまで一人で担当します。


ヘナにできないことから、お伝えします

ヘナは髪を明るくできません。染まるのは白髪で、黒髪の色はほとんど変わりません。

ヘアカラー(アルカリカラー)は、髪の中のメラニン色素を脱色してから染料を入れます。だから明るくできます。ヘナにはこの脱色の働きがありません。ヘナの色素であるローソンが、髪のケラチンというタンパク質と結びついて、そこに色が乗るだけです。

ですので「暗い髪を明るい茶色にしたい」というご要望には応えられません。ヘナでできるのは、白髪を目立たなくすることと、髪の手ざわりを変えることです。

白髪の量で、見え方が変わります

同じヘナで染めても、白髪が1割の方と5割の方では仕上がりがまったく違います。

  • 白髪が1割ほど — 赤みは近くで見ないと分かりません。キラッと光っていた白髪が赤茶になじみ、かえって目立たなくなります
  • 白髪が3割ほど — 全体に赤茶が目立ち始めます。光の下でオレンジがかって見えます
  • 白髪が5割以上 — 全体がオレンジ寄りになります。明るく見えるので、落ち着かせたい場合はインディゴを混ぜます

インディゴはナンバンアイという植物の葉です。ヘナの赤褐色に青を重ねることで、ダークブラウンから黒に近い色まで調整できます。しっかり暗くしたい場合は、1度目を流したあとにもう一度染める「2度染め(追加ヘナカラー)」をご案内しています。

色は、1週間かけて変わります

染めた直後がいちばん明るく、そこから数日かけて濃く、深くなっていきます。

ヘナの色素は、空気に触れて酸化することで発色が進みます。切ったりんごの断面が茶色くなるのと同じ反応です。変化がいちばん大きいのは最初の2週間です。

ですので、帰り道の鏡で「思ったより明るい」と感じても、そこで判断しないでください。数日後の色が、その方の色です。

白い毛束をヘナとインディゴで染め、染めた直後から7日後まで撮影した記録があります。色がどのように落ち着いていくかは、ヘナとインディゴの色は、染めた直後からどう変わるかでご覧いただけます。

いまカラーをしている髪は、どうなりますか

いちばん多いご質問です。結論から言うと、すぐには一色になりません。

明るく染めてある部分は、そのトーンが残ります。黒い部分はほとんど変わりません。そこにヘナの色が重なります。さらに、新しく伸びてくる根元は染まっていない黒髪なので、しばらくは3つの色が混ざった状態になります。

これを一度で揃える方法はありません。伸びた分を染め、毛先を切っていくうちに、少しずつ揃っていきます。数ヶ月単位のお話です。

差を目立ちにくくしたい場合は、インディゴを多めに配合して全体を暗めに寄せる方法や、2度染め(追加ヘナカラー)で2度目にインディゴを重ねる方法があります。ご相談ください。

くわしくはヘアカラーからヘナに変えるとき、髪に何が起きるかをお読みください。

ブリーチをしたことがある方へ

ヘナの色素は、ブリーチでは抜けません。

ヘナで染めた髪をあとからブリーチすると、メラニンは脱色されますが、髪のタンパク質と結びついたヘナの色素はそのまま残ります。結果として、ブリーチした部分にヘナの色だけが残り、ツートンに見えることがあります。

これは「ヘナをやめたくなったとき、元に戻すのが難しい」という意味でもあります。始める前に知っておいていただきたいところです。

最初の1回で、きしむことがあります

ヘナを流したあと、髪がきしんだり、ごわついたりすることがあります。特に初めての方に多いです。

これはダメージではありません。ヘナのペーストに含まれる水分と酸で、キューティクルが一時的にふくらんでいる状態です。お風呂に長く入ると指がふやけるのと同じことが、髪の表面で起きています。

数日から1週間ほどで戻ります。この期間に「ヘナは合わなかった」と判断される方が少なくないのですが、もう少しだけ待ってみてください。

「3回」という数字について

ヘナは3回続けると良さが分かる、とよく言われます。当店でもそうお伝えしています。ただ、この数字の出どころは正直にお話ししておきます。

これは実験で確かめられた数字ではありません。国内のヘナメーカー2社が、それぞれの経験から「3回目くらいから」と言っているもので、学術的なデータの裏づけはありません。

なぜ回数が要るのかという説明は、2社でおおむね一致しています。1回目は髪に残っているヘアケア成分が落ちる段階、2回目で染まる下地ができ、3回目から色の入りと手ざわりが変わってくる、という説明です。

ですので当店では「3回で必ずこうなります」とは言いません。「2社が経験からそう言っていて、実際に3回目で変わったとおっしゃる方が多い」というところまでです。1回で判断せず、できれば3回試していただきたい、というのが正直なところです。

くわしくは「ヘナは3回続けると変わる」は本当か。数字の出どころを調べましたをお読みください。

パーマ・縮毛矯正をお考えの方へ

ヘナを続けると、パーマがかかりにくくなります。

ヘナの色素が髪の表面に残るため、パーマ液が髪の内部まで入りにくくなるからです。染める回数を重ねるほど、この傾向は強くなります。かからないわけではありませんが、通常より時間がかかったり、デジタルパーマなど熱を使う方法が必要になったりします。

当店では、ヘナを続けている髪の状態に合わせて、可能なパーマ・縮毛矯正をご提案しています。定期的にかけている方は、この点をふまえて、カウンセリングでご相談ください。

アレルギーについて

当店のヘナには、パラフェニレンジアミン(ジアミン)もアルカリ剤も入っていません。

ただし、植物由来だからアレルギーが起きない、という意味ではありません。ヘナはミソハギ科、色を暗くするインディゴはマメ科の植物です。植物にアレルギーのある方は、反応が出ることがあります。

初めての方には、事前のパッチテストをおすすめしています。少量を塗り、48時間後の状態まで確認します。遅れて出る反応があるため、直後だけでなく48時間後の確認が必要です。

なお、市販の「ヘナ」の中には、黒く染めるために酸化染料を加えた製品があります。2026年5月20日、国民生活センターが、そうした製品による重いアレルギー症状の事例を発表しました。パラフェニレンジアミンが9.0〜11.9%検出された製品もありました。ご自宅でヘナをお使いの方は、成分表示をご確認ください。

くわしくは市販の「ヘナ」に、ジアミンが入っていることがありますをお読みください。

当日の流れと、かかる時間

ヘナは時間がかかります。合計で2時間30分とお考えください。カットと髪質改善トリートメントを含んだ時間です。

  1. カウンセリング(15分) — 髪と頭皮の状態、これまでの染毛履歴、なりたい色をうかがいます。前回からの色の入り方はカルテに残し、次回に反映します。
  2. 塗布(30分) — ヘナとインディゴを、その日の髪の状態に合わせて調合します。根元から毛先まで、量を変えながら塗り分けます。
  3. 放置(30分) — お飲み物をご用意しています。本を読んでいただいても、眠っていただいても構いません。
  4. シャンプー&髪質改善トリートメント(15分) — 丁寧に洗い流し、髪質改善トリートメントを髪に浸透させていきます。
  5. カット&スタイリング(45分) — 似合わせカットとスタイリングを行いながら、お手入れについてご説明します。
  6. アフターカウンセリング(15分) — 最終的なご確認と、今後についてご説明します。次回のご予約もこのときに承ります。

2度染め(追加ヘナカラー)をご希望の場合は、さらに1時間ほど加わります。1度目を洗い流してシャンプーしたあと、もう一度染める施術です。2度目はヘナ、ヘナ+インディゴ、インディゴの3つからお選びいただけます。インディゴを選ぶと、黒髪に近い仕上がりになります。

長いので、本を持ってきていただいても、眠っていただいても構いません。

施術後にしていただきたいこと

ご帰宅後、当日はシャンプーをせず、お湯洗いだけにしてください。

理由が2つあります。ひとつは、ヘナの発色が数日かけて進むため、当日に洗うと色が定着しきらないこと。もうひとつは、ヘナ自体に油分を吸着する働きがあるため、シャンプーを重ねると髪と頭皮が乾きすぎることです。

翌日からは、いつもどおりで構いません。

ヘナが合わないと感じたときは

ご来店後のカウンセリングで、ヘナでは思っていた仕上がりにならないと判断した場合は、代案としてオイルカラー(イノア)での施術をご提案することがあります。

当店はヘナ専門です。それでもこの代案を用意しているのは、せっかくご来店いただいたのに、何もせずお帰りいただくことになるのを避けたいからです。ご希望がなければ、もちろんお断りいただけます。


次はいつ来ればいいですか

髪の伸びる速さには個人差がありますが、1ヶ月に1〜1.5cmほど伸びます。根元の白髪が2cmほど見えてくると気になり始める方が多いので、3〜4週間から2ヶ月が目安です。

白髪が少ない方は2ヶ月に1回で足ります。しっかり染めたい方は3〜4週間に1回のペースです。ご来店時にお話ししながら決めていきましょう。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

分からないことがあれば、ご予約の際でも、ご来店時でも構いませんのでお尋ねください。

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